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「武士道」


 

新渡戸稲造氏著、
奈良本辰也氏訳・解説
全225ページ
1076円+税
単行本

■この本を一言で表すと
「指導者たる者の心構えと覚悟、恥を知ることなどを説いた名著」


■何故この本を手に取ったか?
「海外でとても有名な武士道という名著を知っておきたかったから」


■流れ
武士道とが何か

義、勇、仁、礼、誠、名誉、忠義について

切腹、刀について

日本の女性

大和魂について


■レビュー■
『「義」は「勇」と並ぶ武士道の双生児である』(P. 32)
義というものは、とかく競争社会では
軽視されるものです。
しかし、日本では義を重んじる者の信用は厚く、
一目置かれる存在となります。

『合戦は単に荒々しい戦闘力の問題だけでなく、
知的な勝負でもあった』(P. 41)
日本の武士はただ強ければよい
というわけではありませんでした。
強さと教養を兼ねて一人前とされていました。
特に、和歌が読める武人は教養が高いとされ
戦場においても和歌が詠まれることが
たびたびありました。
これが高じて戦闘が少ない江戸時代に
武士は、学者、教師でもあったことは有名ですね。

『礼とは、他人の気持ちに対する思いやりを
目に見える形で表現することである』(P. 55)
もし、他人からよく見られたいという気持ちから
表面だけとりつくろうおうとするならば、
武士道では、それは貧弱な徳行であると判断します。
本気で他人を思いやるからこそ、
にじみ出る本物の気配りができ、
それが礼へとつながるのです。

日本人には正直に商売する人が多いのですが、
正直は日本人のみでなく、
世界中の成功した人々が実践していることです。
しかし、日本人はカネになるから
正直なのではありません。
『正直がカネになるというのでこれを守る、
というのであれば、
私は武士道はむしろ
嘘にふけるのではないかと思う』(P. 71)
という予測が、
日本人の金儲けに対する嫌悪をよく表しています。
これは武士道において、
カネを儲けようとする心は卑しいとされるからです。

『武士道は無償、
無報酬で行われる実践のみを信じた。
それは無価値だからではなく、
価値がはかれないほど貴いものであるからだ』(P. 98)
というように、本当に価値あるものには
値段がつけられないという価値観も手伝って、
「仕事=金を稼ぐ手段」という考えが
日本人にはあまりないのです。

では、なぜ日本人は正直なのか?
日本人は正直に商売することが
富につながるから正直なのではありません。
それは、正直であることが人として当然であるという
共通の観念を日本人が持っているからです。
また、
『名誉はこの世で「最高の善」である』(P. 79)
『武人の徳とされている功名心は
汚れをまとった利益よりも、
むしろ損失を選ぶ』(P. 93)
というように、徳を積むことや、
名誉も重要視されています。
そのような場合、
ウソをつく方がいいと考えるでしょうか?
正直に生きるに決まっています。
よって、お金儲けにつながるかどうかなんて
いちいち考えて正直に生きてなんかいません。

私は正直が金儲けにつながることを
みんなが知ってしまったとしても
日本人はやはり正直であったであろうと思います。
それは、ウソをついて相手を貶めることは、
あくどい金儲け以上に
嫌悪の対象となると思うからです。
武士道は相手に礼を尽くします。
無意味にウソをつくことは絶対にしないのです。

『武士道では個人よりも国が
まず存在すると考えている』(P. 88)
日本人は自分の所属するコミュニティを
大切に考えます。
個人の得よりも、
組織の繁栄を願うことが、
結果として、
多くの人の安全と名誉を守ることになりました。
このことが、現代の日本でも
暗黙の了解となっているところがあります。

『父や夫が出陣し、
家は留守になりがちであったため、
家の中のやりくりはすべて
母や妻の手に委ねられていた』(P. 145)
これが世界でも珍しいといわれる、
日本のサラリーマン特有の
「おこづかい制度」の礎となっていると思います。

『近代日本を建設した人びとの
生い立ちをひもといてみるとよい。
彼らが考え、築き上げてきたことは、
一に武士道が原動力となっていることがわかるだろう』(P. 161)
武士道には
まもるべき明文化された規律はありません。
それは口伝によってのみ伝えられてきたものです。
しかし、それは今日途絶えかけています。
日本の発展の基礎ともいうべき
重要な精神「武士道」は
現在消滅の憂き目にあっています。
日本の再生を願うならば、
まず、小学校などで「武士道」を
道徳の時間などに読ませてみてはいかがでしょうか。


■反論・誤植・注意点など■
切腹を説明する箇所でおかしいところがあります。
『切腹とは、武士がみずから罪を償い、
過去を謝罪し、不名誉を免れ、朋友を救い、
みずからの誠実さを証明する方法であった』(P. 112、113)
とあり、これが正しい切腹の観念ですが、
『太刀の一撃で、
たちまち首と胴体は切り離された』(P. 116)
という描写があり、
切腹の儀を表したものとして不適切です。
これでは斬首です。
切腹はあくまでも名誉ある儀式であるので
介錯人は切腹した者の首を
完全に切り落としてはいけません。
わざと首の皮一枚でつながるようにします。
もし、介錯人が誤って首を落としてしまえば、
それは切腹した者の名誉を汚したとして、
自らの命を持って償う決まりになっていました。
ゆえに、ここの描写は
切腹を表したものとしては変なのです。

もし、この描写が本当のことならば、
ここに登場した介錯人は、この切腹の儀の後
まず間違いなく自らも切腹しています。
介錯人とは、それほど重大な役割であり、
自らも命の危険があるのです。
よって、信頼できる人間に
介錯してもらうのが慣例でした。


■最後に■
欧米では、宗教でこどもに道徳を教えるそうです。
つまりは「神様がダメといったことはしてはいけない」
そう教えるのです。

ですが、日本では宗教に頼る人がいません。
あまり信心深くないのです。
それで、
「日本人はどうやって道徳を教えるのですか?」
という問いに対し、
新渡戸氏は、本書をまとめた後
「日本には武士道がある」
といったという逸話があります。
日本人の道徳観念は、
武士道によって形成されているのです。



■評価■


25点/30点満点

(1)読みやすさ 2点 
若干読みにくい

(2)情報量 4点 
120-300min
繰り返し読める名著

(3)成長性 5点 
人格が変わるくらい成長できる

(4)実用期間 5点 
一生使える

(5)インパクト 5点 
先達の精神、教養に脱帽

(6)信頼性 4点 
介錯の記述が気になるが、概ね信用に足ると思う

レビューNo.0053
評価年月日:2009年11月9日



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