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「国家破綻はありえない」


  増田悦佐氏著
全223ページ
1400円+税
単行本

■この本を一言で表すと
「日本は破綻しない」


■何故この本を手に取ったか?
「日本政府の負債が900兆円を超えて、
もう返済は無理なんじゃないかというような状況に追い込まれたように見える。
これは事実なのだろうか、日本はこのまま破綻するしかないのだろうか、
日本の財政について知りたくて本書を手に取った」


■流れ
政府は貧乏、国民は金持ち

少子高齢化に合わせた政策

2050年に日本はどうなるか


■レビュー■
『国は、もともと一銭も稼いでいない。稼いでいるのは国民だ』(P. 14)
だから、月40万円しか収入がないサラリーマンが
月80万円の生活費を使い、足りない分はサラ金から借りている
という説明は間違っていると著者は言います。
著者は、月80万円ほしいと思う者が、
現在もらってる月40万円じゃやっていけない
でも、いきなりの負担は無理だから
形上、残りの月40万円分は借りるということにした。
そういうおかしな状態だと著者は説明しています。

『税金で取るのも、国債の発行も最終的には同じことである』(P. 16)
基本的に国は自前で稼いでいません。
国債は最終的に税金の徴収によって返済されます。
ゆえに、国債も本質的には税収と同じなのです。
唯一の違いは、その負担に時間差があることです。
つまり、今の世代が湯水の如く使った借金のつけを
子、孫の世代に押し付けられるということなのです。
国債残高を減らすのが難しい原因はここにあります。
国債を減らす権限のある偉い人たちというのは、
まず間違いなく若手ではありません。
自分が納税者であるうちには大増税はやってこないという
勝ち逃げ団塊世代にとっては、
国債がどんなに多くなろうと知ったことではない、
というのが本音なのでしょう。
しかし、これは若者にも非があります。
若者が選挙にあまり行かないから、
その声を代弁してくれる国会議員が出てこないのです。
よって、人口が多くて投票率の高い世代に有利になるのも仕方ないことです。
(森川友義氏著「若者は、選挙に行かないせいで、四〇〇〇万円も損してる!?」参照)

『アメリカでは稼ぎ手である国民全体が、
借金しなければやっていけない生活を続けているってことだ。
それに比べて、日本経済は稼ぎ手の国民は毎年自分たちの稼ぎを
全部使い切ってしまわず貯蓄している』(P. 23)
アメリカ人は、ごく普通の個人でさえ、ボートを所有してたりします。
車がなくては生活できませんので、もちろん車もあります。
持ち家も大きくて、プールがついてたりします。
しかし、それは基本的に借金で買ったものなのです。
人生なにがあるか分からないから貯蓄しようというより、
生きているうちに自分が稼いだものは、
きっちり使っていかないと損だ、と言わんばかりです。
きっと借金することの怖さが分かっていないのでしょう。
でも、高校で習う程度の数学能力があれば、
簡単に複利計算くらいできると思うのですが・・・。

『液晶のように製造工程が固まっていないような
試行錯誤の段階の最終品なら、日本が強い』(P. 28)
『日本だけが「生モノ」を作り続けられる』(P. 42)
『日本にはロボットに仕事を奪われたら
食べていけないという労働者はほとんどいない』(P. 139)
ここで生モノとは今なお試行錯誤して作られる工業製品のことを指します。
あらゆる分野で生モノを作れるのは、いまアメリカと日本だけになりました。
しかし、50年後にはアメリカも生モノが作れなくなってくるでしょう。
なぜなら欧米型の経営では、利益が出ているうちに
会社を清算する傾向にあるからです。
日本では業界5~6位のメーカーでも、
雇用を守るために存続させて生き延びるのですが、
欧米では1~2位でなければ、赤字になる前に
その分野から早期撤退してしまいます。
ゆえに、各分野に企業数が少なく、とてつもなく大きいのです。
日本に世界からみて小さくても一流のメーカーがたくさん存在するのは、
すぐに会社を清算しない息の長い日本的経営をしてきたからです。

『日本の熟練金型工が個人主義の強い欧米中国で
後継者を育てようとするとがっかりしてしまう』(P. 30)
日本では金型工を育てるために、
一見良さそうで実は使い物にならない金型を
わざと作らせ意図的に失敗を経験させます。
その後、おまえこの工程を正しくやらなかったろう、といって
正しい手順を学ばせるのだといいます。
日本人の場合は、悪びれず自分に手落ちがあったことを認めて
師の教えを請い、どんどん上達するそうですが
欧米中国の若い工員は自分に落ち度などない、
むしろ、最初からきちんと教えろ!と平気で師にはむかうそうです。
熟練工も人間であるから、そういう態度を取られると
もう育ててやろうなんて思わないそうです。
つまり日本人のような、多少の理不尽にも耐え忍ぶ
大らかな気質の者にしか職人の技術は継承できないのです。

欧米の流通では、労働者が途中で品物をちょろまかすため、
30%ほどの商品が小売店に到達するまでに消えてなくなるそうです。
『欧米に比べて日本のほうがバカ正直なだけで、
結局は日本の流通過程の労働者は時々商品をくすねるという
余禄がない分だけ損をしているというような皮肉な見方もできる。
だが、実際にはまったく違っている』(P. 58)
というのも、そのくすねられた分を、
資本家が黙ってみているはずがないのです。
当然、管理が厳しくなっていきます。
そしてその管理にかかる費用は、商品の価格に上乗せされます。
または、労働者の給与を安く設定してまかなわれます。
監視すること自体はお金を産む活動ではありません。
結果として、監視に人件費、システム導入費を
割かなくて良い日本の労働者たちのほうが、
清算ロスが少なく、全体として得をしているのです。

 

『中国はおそるるに足らず、というのが
進出した企業経営者の最近の判断である』(P. 37)
日本にとって迂回輸出担当先は別に中国でなくてもよいが、
中国は日本から工業部品を売ってもらえなければ商売になりません。
どちらが優位なのか一目瞭然です。

たしかに、中国に工場は増えました。
しかしその多くは、手間がかかるだけで
付加価値の少ない最終組み立てや梱包作業を
どこの国にやらせようか、という問題なのです。
別に中国じゃ無くても人件費が安ければどこだっていいのです。

そして、中国がアメリカに輸出している工業製品の大部分は、
日本の部品がなくては製造不可能です。
ゆえに、あれだけ経済成長している中国は、
日本に対して大幅な貿易赤字を計上しています。
これがいわゆる「迂回輸出」です。
本来なら、直接アメリカに輸出してもいいのですが、
それだと対日赤字が膨れるアメリカが
日本に政治的圧力をかけてくるのが目に見えています。
よって、第三国として「たまたま」中国をかませているにすぎません。
個人的には別名「鵜飼輸出」でもいいと思います。

日本が中国に抜かれる抜かれると、
無責任に騒ぎたてる人が多いですが、
この経済戦争の実態は、どうみても日本の圧勝です。

『日本が最後までいちばん価格の高いエネルギーを使いながら、
きちっと国民経済を運営していける』(P. 48)
日本は資源が少ないのですが、
そのために過酷ともいえるエネルギー効率の向上に迫られました。
結果として、世界で一番高効率でエネルギーを利用できる国になったのです。
この有利さといったら、想像を絶します。
他国に対して効率が30%上がれば、
それはその国よりも30%引きでエネルギーを買ったのとほぼ同じことなのです。
そして先進国の中で、日本のみが最高の高効率エネルギー利用可能な国家です。
(増田悦佐氏著「日本文明・最強の秘密」参照)

よって、高騰するエネルギーを最後まで買い続けられるのは、
効率で勝る日本以外にありません。

『地方の人間が、東京か大阪に出ていくと
労働生産性が20~30%向上する』(P. 163)
人間が都市に集中すれば、
人口が減少しても生産性を落とさないで済みます。
ほとんどの人が鉄道のみで生活できる都市近郊に住めば、
人口が一億人に減っても、生活に必要なエネルギーなどの
消費効率が上昇するため日本の豊かさは変わらないのだといいます。

『欧米のエリートたちは、
知的エリート主導の欧米経済よりも
集団合議制、全員参加型の日本経済の方がうまくいくとわかってしまったら
これまでの特権が危うい』(P. 75)
だから、日本は駄目だと、根拠のない悲観論が推奨されるのです。
日本がいい、というのは彼ら知的エリートにとってはデメリットです。
大衆主導の日本が良いとなれば、
各国で大衆を導くエリートの存在意義が皆無となります。
事実をねじまげてでも、日本悲観論を根付かせねばなりません。
どの国も知的エリートが引っ張る国でなくてはならない、と
思わせなくてはならないのです。


『破たん本の多くが欧米の方がいい経済だと吹聴しているのは
バイアスのかかった宣伝活動』(P. 117)
大衆主導の日本批判は国内からもあります。
日本は知的エリートがいないからダメなのだと吹き込み
日本でも自分のような知的エリートを重用しなければだめだ、と
いわゆるエリート達の立場からしてみたら当たり前の発言です。
しかし、彼らのポジショントークに踊らされてはいけません。
日本のエリートと海外のエリートでは、
大抵の場合、まともにやって勝ち目がないくらい実力差があります。
しかし日本の大衆は、おそらく世界一、道徳と能力が高いでしょう。
ですから、大衆主導でもやっていけるのです。
むしろ、他の国は大衆の能力が低すぎて知的エリートがひっぱるしかない、
というのが現状のような気がします。


■反論・誤植・注意点など■
特になし


■最後に■
『読者が「いくらなんでもここまでバラ色ってことは
ないんじゃないの?」と首をかしげるような内容に仕上がっている。
大いに首を傾げていただきたい』(P. 3)
『それでも、今後日本経済は落ちる一方に決まっているという主張に比べたら
はるかにリアリスティックな論点が多いことに気づかれるはずだ』(P. 3)
というように、著者が先手をうってくれてます。
本書を読むと、こんなに日本は有利なの?
嘘でしょ!と笑いが出てきますが、本当のことです。
しかし、日本が台頭すると困る人たちもいるのです。
そういう人たちが大々的に日本はダメだ、と宣伝してまわるのですが、
日本人ほど真面目に仕事に打ち込む民族はありません。
そういう人たちの人口が一億超えてますので、
これは他国から見た恐怖の対象となってもおかしくないでしょう。





■評価■


点数合計 22点/30点満点

(1)読みやすさ 4点 
グラフもつけてあり、
文章も読みやすい

(2)情報量 3点 
60-120min

(3)成長性 4点 
日本が破綻しない理由を理路整然と説明してあり、
自信を持って悲観状態から抜け出せる

(4)実用期間 5点 
数十年先まで使える

(5)インパクト 3点 
日本の底力を信じてたので、
破綻しないといわれても、驚きはしなかった

(6)信頼性 4点 
巻末に参考文献等の表示は無いけれど、
データの出典は、きちんと示されていた。
新聞からの引用が多いのが気になるけれども、
一応は信用できる内容であると思う


レビューNo.0323
評価年月日:2011年2月23日



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