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「世界と日本経済30のデタラメ」


  東谷暁氏著
全203ページ、
760円+税
新書

■この本を一言で表すと
「常識だと思われていて実はでたらめな経済的な知識を正す」


■何故この本を手に取ったか?
「書店でタイトルに惹かれて」


■流れ
常識のように言われる実はでたらめな事実を30紹介


■レビュー■
本書では、
いままことしやかに言われている噂を30集めて
それに対して著者が反論するという構成になっています。

「医療も民営化すれば診療のレベルが上がる」というデタラメに対して
『医療を「民営化」したアメリカの悲惨さ』(P. 95)
をあげて反論しています。
アメリカでは、一日入院しただけでも大変な治療費を取られます。
ですから、たとえば出産は分娩のときだけ病院に行き
子供を産んだらその日のうちに帰宅するのが通常です。
それまで中流階級にいた人でも、
病気やけがで一度でも入院すれば、
莫大な治療費の支払いに追われて
一気に貧困層に転落する危険があるのです。
医療を民営化すれば、これが日本でも現実となります。
(堤未果氏著「ルポ貧困大国アメリカ」参照)

人口が減少するので外国人労働者を移民として受け入れなければ
日本は衰退する、という議論がよくされています。
しかし、全くそんな心配ありません。

『国民一人当たりのGDPを維持するだけなら、
それほどの外国人労働者はいらない』(P. 123)
という、至極もっともな反論が本書ではなされています。

日本では人件費が高かったために
工場では積極的な機械化がなされてきました。
どうしても安価な人手が必要な衣服などの手間のかかるものは
海外に工場が移転していきましたので、
実際のところ日本国内の産業で単純作業が必要なところは少ないのです。
それはサービス業である第三次産業に就く人の割合が
60%を超えることからもわかります。
ともなれば、日本の人口縮小と同時に
サービスへの需要が減るので、
その職場も減少するでしょう。

ということは、
日本語もろくにできないであろう移民を大量に受け入れても
失業率が上昇中の現在日本において彼らに就業可能な職業はありません。

日本に移民は必要ないのです。

そもそも日本人の都合だけで移民を受け入れ
最下層の労働者としてこきつかおうなどと考えるのは
なんともあさましいとしか言いようがありません。
そのような考えで移民を受け入れた欧州では、
すでにさまざまな問題が生じたために
現在では受け入れを停止している国さえあるのです。

以上の事実を知ってなお
移民受け入れとか唱えている人は
今のうちに考えなおしてくれないと、
悪夢が現実になってからでは遅いのです。

『燃料電池は現代の「永久機関」ではない』(P. 149)
燃料電池ができさえすれば
日本のエネルギー問題は解決するというような
楽観的な見方がありますが、
燃料電池は別に特別なものではありません。
ただ、エネルギー変換効率が良いので
注目されていたにすぎないのです。


■反論・誤植・注意点など■
「アメリカの金融資本主義は崩壊する」というのが
デタラメであるとして記載され、
『アメリカはこれまで何度も「崩壊」してきた』(P. 32)
と、反論しています。
だったら、「崩壊する」という指摘は
別に間違ってないんじゃないかと思います。
別に再生しないと言ってるわけでもないし、
著者が一体何に対してツッコミを入れたかったのかがよくわかりません。

『日本はすでに「小さな政府」だった』(P. 84)
『日本の公務員の数は、どこから見ても少ない』(P. 87)
1000人当たりの公的機関に所属する人数は
日本35.1人、ドイツ58.4人、アメリカ80.6人、
英国73.0人、フランス96.3人
という結果になりました。
一般政府総支出のGDPに対する割合(2004年、2005年)も
日本36.4%、ドイツ46.8%、アメリカ36.4%、
英国44.9%、フランス53.9%
であり、先進国中でも低い値を示しています。

だから、
日本はもっと税収を増やしてもよい、と
考えられそうだが、実際のところ無駄遣いはあります。
(「ホージンのススメ」参照)
税収が少ないというならなおさら
そういうムダを削ったあとでなければ
やはり国民は増税に応じないとおもいます。

『ヴァーチャル・ウォーターの試算によれば、
水資源の豊かな日本は、
実は、中東にある砂漠の中の国と、
状況はそれほど違うわけではないことが明らかになってしまう』(P.163)
大変滑稽な話です。
ヴァーチャル・ウォーターという概念を導入したとして
1tの穀物を作るのに水が1000t要るから
3000万t輸入している日本は、
300憶tの水を輸入したことになるとか、
食糧輸出国にとって、
どれだけ都合のいい話をしているのでしょうか。

農業で使われた水は穀物内に含まれるものを除いて
すべてその地で循環しているはずです。
だから、日本が輸入した水は輸入した穀物に実質含まれる水
つまりは3000t以下とすべきです。

バーチャル・ウォーターに関しては
「食糧危機」をあおってはいけない
でも懐疑的な発言がされております。

ちなみに、
鉄を作るにも1tあたり1000tの水が必要なのです。
バーチャル・ウォーターを試算するなら
当然、日本が輸出した工業製品の作成に必要だった分の水は
きちんと差し引いて計算しなくてはいけません。

さらにいえば、
日本では降水量のたった3%ほどしか活用されていません。
農業、工業全部ひっくるめてたった3%です。
日本の食糧自給率が30%として、
単純計算その3倍の水が必要だったとしても
おそらく水消費量は、降雨量の10%にも満たないでしょう。
なにが、砂漠の国と同じになる、だ。

日本に必要な食糧をすべて国産でまかなったとしても
90%の水を捨てる計算になるのです。
はっきり言って降水を100%利用することは不可能ですが、
それでもヴァーチャル・ウォーターとやらが
かなり胡散臭いというのがよくわかるでしょう。

また、
「ウォーター・マネー「水資源大国」日本の逆襲」
では日本は水資源大国として扱われていることをつけたしておきます。


■最後に■
デタラメに対して
著者が反論する根拠に
なるほど、と思うものもあれば
それはどうかな、と思うものもあります。

だから、著者の反論をうのみにせずに
気になるところは自分で調べた方がいいです。

一番気になるのは、
このデタラメを言っているのは
いったい誰なんだろう?ということです。
著者が思う世論ということなのでしょうか?



■評価■


21点/30点満点

(1)読みやすさ 4点 
読みやすい

(2)情報量 2点 
30-60min

(3)成長性 3点 
嘘を嘘と見抜く力を養える

(4)実用期間 4点 
10年ほどあれば情勢は変わるだろう

(5)インパクト 4点 
すでに知っていることも多かったが
内容の半分くらいは、「そうだったのか!」と思う

(6)信頼性 4点 
概ね信用に足ると思う


レビューNo.0327
評価年月日:2010年01月01日



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