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「理系白書2」


  毎日新聞科学環境部編
全245ページ
533円+税
文庫本

■この本を一言で表すと
「生きがいが金なら文系就職、
違うなら理系就職という風に結局理系は納得して選んでる」

■何故この本を手に取ったか?
「理系白書の第二弾ということで、
今度はどんな理系についての問題提起がなされたか気になったから」

■流れ
文理の垣根を低くする

ダブルメジャー

文系就職する理系

ポスドク問題は政府の認識の甘さが原因



■レビュー■
『文系であることが、科学技術について知らない、
あるいは無関心でいてもいいという言い訳に使う』(P. 3)
これはよくみかける風景です。
この台詞をつかう本人たちにとっては
照れ隠しといった側面もあるのだろうから
あまり責めるのも大人気ないでしょう。

理系の話ができる文系というのは
英語ができる理系のようなもので
メーカーなどの企業にとって
大変価値ある存在となります。
自己研鑽として文系だけど
数学も大学で履修するのもありかと思います。


『ダブルメジャーを応援』(P. 78)
こういう制度は大変良いと思います。
実際にやる大学が出てきたようで、
将来的にこれが主流になると良いですね。

普通は学部一回生で
一般教養をあらかた終えてしまい、
そこから文系は二回生、三回生の間に
専門科目を履修するのですが
内実1年あればよいところに
2年かけている感があります。
おかげでバイト三昧な学生をよく見かけます。
もっと勉学に励みたい学生もいるはずなのに、
その機会は現在の大学では与えられません。

よって、意欲ある文系学生には
資格専門学校や
英会話学校などに通うことになります。
ダブルスクール族は珍しくも無くなりました。


ゆえに、学生に専門をもうひとつ増やせる
ダブルメジャー制度
または、副専攻という制度があれば
きっとさらに勉学に励み、
将来の日本を支えるよき人材となるはずです。


また、これは文系に限らず、
理系人に経済学や社会学、
法学などに触れる機会を作り
視野の狭さを克服するきっかけにもなるでしょう。


『「専攻不問」は「理系をとるための方策」』(P. 127)
企業の専攻不問という言葉を聞いて
専門性は関係ないから大学で学ぶのは
どんな学問でも良いのだ、と思ってしまうが、
実際はそんなことではないようです。
文系就職したい理系を採るための方便のようです。

実際のところ、
1990年代前半に理系の文系就職は
40%弱にまでのぼり、
製造業にいく理系が減りつつありました。
(今野治氏著「「理工系離れ」が経済力を奪う」参照)
それは理系でも文系就職したほうが所得が高く、
また出世しやすいという現実があるからです。

これまで企業は
理系は現場にいて専門さえ追えばよい、
経営は文系がやるものである、と考えてきました。
しかし、最近では
経営にも理系の考え方が重要であることが
そこかしこでささやかれるようになりました。


『この中に理系はいるか?理系は得だぞ』(P. 134)
これは元ボストンコンサルティンググループの
堀紘一氏が採用試験の際発した言葉です。
これからは、アバウトな経営は通用しない、
数字で物事を大づかみにしたり、
仮説を立てて検証する訓練ができている理系が有利だ、というのです。

そのためか、
最近では理系出身の社長が増加しています。
これまで出世できないと思われてきた理系ですが、
理系が出世しやすい世の中になれば
理系離れの問題は解決するでしょう。
かつて文系就職する理系が
40%にまで上昇したことを考えると
理系にきた人のすべてが
研究活動だけできたらそれでいいと
考えているわけでないことが明白です。
理系でも出世できるなら、
理系のまま就職していくことに
ためらいはなくなるはずです。


理系社長が見る理系人の強みは、
専門性へのこだわり
技術評価力
原理原則を大事にする、など
一方、弱点は
システムにこだわって大局を忘れる
異分野への関心が薄い
視野が狭い、など(P. 154)


『博士採用の悪循環
博士の付加価値が少ない

企業が採用しない

優秀な学生が博士にならない
というサイクル』(P. 188)

専門性が嫌われるというのは、
専門にこだわりすぎた過去の博士たちに
大きな問題があるといえます。

過去にとった博士が問題が多かったというのなら
企業は使いにくい博士をとるのを
ためらうのは当然です。
企業の方針に従ってくれなければ、
利益がだせないので会社としてやっていけません。
それなのに博士は大学でやっていたのように
自分のやりたい研究を押し通そうとする、
それが博士に対して企業が持つイメージです。

また、年齢があがれば給与もあがります。
即戦力にならねば、企業もとりたくないでしょう。
ゆえに、専門性が企業の打ち出す方針に合わねば
国が何を言っても博士の採用は増えないでしょう。

実際のところ、最近の博士たちは
自分のやってきた研究分野と違っても
取り組んでみようと思う人たちが多いです。
融通のきかない博士のイメージは過去のものです。

どちらにせよ、
博士を採用することで採算がとれなければ、
企業にはありがたくはないのです。
博士号があるからといって、
だれかがお金をくれるわけではないですからね。
また、博士号があるからといって
研究が大幅に進むというわけでもないですしね。


■反論・誤植・注意点など■
『「やりたいことはやるしかない」と
損得勘定抜きで考えられるところに、
理系の理系たるゆえんがある』(P. 133)
というわけで、前著「理系白書」で
賃金が少ないから理系は報われないとか
言うのは本書でも主張されているように
あまりかっこよくありません。

自分のやりたいことをやるために
損得抜きでやってるんだ!っていっているなら、
それって、自分でそういう道を選んでるわけですよ。
あらかじめ、理系の処遇を知ってきているはずの
頭の良い人たちが、敢えて選んで理系にきておいて
あとから文句を言うのはおかしいと思います。

もう、なにが不満なのか
理系のわたしにもよくわからなくなってきました。


今よりもたくさんのお金が欲しいのだったら、
理系に所属したまま世界を変えようとするのでなく、
自分が文系就職して解決したらよいのです。


バブル期には、処遇に不満を持った理系は
そうして解決してきたのですから前例もあります。
その結果、日本の技術力が極端に低下して
海外に後れをとったということもありません。
なにも問題ありません。
技術立国だからといって、
理系にばかり日本の人材が偏る必要はありません。


以上の注意点は、本書に対してというより
前著「理系白書」に対してのものになってしまいました。
とはいえ、これは本書を読んで思ったことなので
ここに書くことにしました。


■最後に■
本書は、文系理系の高校での履修についてや
文理わけの弊害についての記述が多いです。
はっきりいって、
理系に焦点をあてた本というよりも
教育について書かれた本である。
ゆえに、教育に興味なければ本書の前半は
読み飛ばしても障り無しです。


■評価■


18点/30

(1)読みやすさ 3点 
ふつう

(2)情報量 2点 
30-60min

(3)成長性 2点 
雑学程度

(4)実用期間 5点 
世の中は当分かわりません。

(5)インパクト 2点 
前著の続き

(6)信頼性 4点 
だいたいあってる。


レビューNo. 0347
評価年月日:2009年5月28日



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