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「世界自動車メーカーどこが一番強いのか?」


  土屋勉男氏、大鹿隆氏、井上隆一郎氏共著
全299ページ
2000円+税
単行本

■この本を一言で表すと
「世界の車メーカーの現状と未来予想」


■何故この本を手に取ったか?
「車メーカーの本当の実力がどのくらいなのか知りたかったから」


■流れ
環境問題と国際市場について

米国の車メーカー

欧州の車メーカー

アジアの車メーカー

日本の車メーカー

世界の車メーカーの実力ランキング

日本自動車メーカーの将来と課題



■レビュー■
『日本ビッグスリーは世界1の実力まで上り詰めた』(P. 235)
日本ビッグスリーとは、もちろんトヨタ、ホンダ、日産です。
これらの自動車会社は世界実力ランキングでも
この順序で1、2、3位の座に輝いています。(P. 207)

生産規模で見れば、GM、フォードなどが
まだまだリードしているのですが、
アメリカのビッグスリーは内実が弱いのです。
楽天的で自滅した米メーカーと
北米でたたかれまいと
ひたすら伏して力を蓄えた日本メーカーの差が伺えます。

アメリカは法律で自国のメーカーを保護してきました。
しかし、そういう保護は逆に怠慢を招き、
最終的には自力で生き残ることが難しくなります。
日本ではメーカーは強いが、金融は弱いとよく言われます。
それは日本の法律が銀行を保護しているからです。
そのおかげで銀行は世界的な競争力を育てる機会を失ってしまいました。
反面、メーカーでは、
たとえば二輪メーカーは多い時で日本に270社存在していたのですが、
それが今ではホンダ、ヤマハ、カワサキ、スズキの4社のみになりました。
激しい競争に打ち勝って、生き残った4社です。
この4社は海外に進出するや否や世界を座卷し、
いまや世界の二輪生産シェアは日本勢だけで50%を占めています。
いまでもこれらの二輪市場を脅かすメーカーは出てきていません。

自国の産業を保護したくなる気持ちはわかりますが、
保護も度が過ぎると返ってその力を弱めてしまうということがあるのです。

『ティア1メーカーの出現』(P. 258)
ティア1メーカーとは、これまで部品メーカーが個々に納品していた
車の部品を一台分にまとめて出荷するメーカーのことです。
ようするに、いままで車会社は、
部品メーカーと個別に契約していたのですが、
これからは、あたらしく出現したティア1メーカーが、
必要なときに必要な分だけの部品を揃えて
各メーカーに納品してくれることになるようです。
ティア1メーカーの出現により、自動車メーカーは
部品管理が容易になり、大量の在庫を抱えるリスクを回避できます。
これが最近の自動車メーカーの部品流通事情だそうです。

『トヨタの電池開発』(P. 271)
本来ならこのような部品は電池メーカーに製造を依頼して
部品として購入すれば事足りていました。
しかし、燃料電池車の開発やハイブリッドカーの製造などで
電池という部材で他社と差をつけることが重要になってきたのです。
そこで、電池開発に実績のある松下電器産業と組んで
トヨタは電池開発をはじめました。
この動きは他の自動車メーカーでもみられます。
というのも、電気自動車を開発する際に、
リチウム電池などの二次電池は中核技術となります。
そこを部品メーカーに握られているのは、
自動車メーカーからしてみたら、嫌なのです。
そこで、電池会社と提携し、
あわよくば電池関連の会社を系列に組み込むくらいのつもりで
しのぎを削るようになってきたのです。



■反論・誤植・注意点など■
『「ズーム・ズーム」とは次のような意味である。
それは「ぽっと見て乗りたくなる、乗ったら楽しい、
また乗りたくなる」である』(P. 135)
これはどこでこういう解釈になったのかは知りませんが、
「ズーム・ズーム」というのは、子供が使う英語で
日本語の「ブーブー(車、または車の音)」に相当します。
そういうことが一切書かれていなくて、
よくわからない意訳をされているのでかなり気になりました。

『バイオエタノールは、サトウキビやとうもろこしなどの
植物を原料としており、確かに環境に優しいが作物の豊・不作に
影響されるし、食糧資源との競合問題も懸念されている』(P. 225)
実は世界中の穀物は余り気味である、というと
みなさんびっくりするかもしれません。
発展途上国では、重工業が難しいため、
まず農業に力をいれることになります。
それなのに、日本以外の先進国でも
食糧自給率が高いために、EU同士でさえ、
うちの小麦買ってよ、と
穀物は押し付け合いになっているのが現状なのです。
日本の食糧自給率が低いことが問題になっていますが、
100%まで上げる必要はありません。
食糧自給率は60~80%あれば十分です。
なにせ買い手市場ですから、どこかの国に小麦買いますと言ったら
じゃあ、うちからも買ってよ、とお願いされてもおかしくない状況なのです。

さらに、不作を懸念しているとありますが、
地球全体でみれば、北半球、南半球で
半年間のタイムラグがありますし、
いたるところで穀物は生産されています。
地球上のすべての地域で不作、というのは考えられませんし、
もし仮に、北半球が全部不作だとしても半年後には、
アルゼンチン、アフリカ、オーストラリアなどで収穫可能なのです。

バイオエタノールで穀物がなくなる、というのは嘘です。
何せ、今現在でさえも作らずにほったらかされている農地は
世界中にたくさんあるので、バイオエタノール用に
そこを再度農地として活用すれば良いだけの話です。

バイオエタノールでネックとなるのは、実は価格なのです。
サトウキビは最初から糖だから良いのですが、
とうもろこしは、まず糖化しなくてはならないので
工程がひとつ増えるだけ割高になります。
それで、とうもろこしからバイオエタノールを作るのは
あまり割が合わないのです。
南米でやっているからといって、
全世界にバイオエタノールが普及するか、といえば
技術的でも、生産量による制限でもなく
コスト的な問題が一番最初にくるでしょう。


■最後に■
本書を読むと、世界の自動車メーカーが
今どのような状況におかれているのか一気に知ることができます。

とはいえ、自動車メーカーの名前すら知らない人はもちろん、
自動車の知識がまったく無い人が本書をいきなり読んでも
内容がよく分からない可能性が高いでしょう。

本書をしっかり読み解くためには、
自動車業界における基礎的な知識が要求されるでしょう。

5年後のナンバーワン企業はトヨタで間違いないでしょう。
世界の戦いの構図は日米欧の三つ巴から
「トヨタ」対「反トヨタ」へと変わったといわれます。
しかし、10年後はわからないのです。

トヨタは今、ホンダに注目しています。
次に敵となるのはもうGMでもフォードでもないと考えているのです。
それら米ビッグスリーに気を使うふりをして
本当に怖い敵を抑えているのです。
これだけ抜け目無いトヨタのことです。
これからさらに飛翔するでしょう。
とはいえ、
足元から崩れぬように注意しなくてはならないでしょう。
なぜなら実はトヨタは車好き達から、
「面白い車を出さなくなった」と言われ、
「リコール王」というありがたくない称号を受けています。
(ただし、米国のリコールの件は嵌められたもので濡れ衣)

トヨタのリコールの件に関しては、
伊藤欽次氏著「トヨタの品格

横田一氏著「トヨタの正体

渡邉正裕氏著「トヨタの闇

あたりを参考にして頂けたら良いと思います。

また、ラインの従業員に大変な重労働を強いているとも聞きます。
(鎌田慧氏著「自動車絶望工場」参照)

ほかにもいろいろあるけれども、
本書と関係ないのでここらでやめておきますが、
そういう事実が10年後のトヨタに影を落とさぬかが心配です。


■評価■


点数合計 20点/30点満点

(1)読みやすさ 3点 
ふつう

(2)情報量 4点 
120-300min

(3)成長性 3点 
自動車業界のことがそれなりによくわかる

(4)実用期間 3点 
2007年出版で5年後を予測しているので
本書の内容はあと2年しか持たないとみてよい

(5)インパクト 2点 
大方予想通り日本勢が強く
別段おどろくこともなかった

(6)信頼性 5点
データが詳細に示してあって
信頼できる内容であると思う

レビューNo.0431
評価年月日:2010年12月9日



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