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「アメーバ経営」


  稲盛和夫氏著
全259ページ
1500円+税
単行本

■この本を一言で表すと
「アメーバ経営の解説書」


■何故この本を手に取ったか?
「アメーバ経営という言葉が前から気になっていたので」


■流れ
アメーバ経営の誕生

アメーバ経営の哲学

アメーバ経営の組織機能

アメーバ経営の管理

社員一人一人が会社全体を考える集団となる


■レビュー■
『従業員が100名のころまではひとりでやれたんだから、
会社を小集団の組織に分けたらどうだろう』(P. 28)
会社をビジネスの単位になりうる最少の状態で、
独立採算をとる町工場のように存在させて、
管理すれば良いと稲盛氏は考えました。
これがアメーバ経営の始まりです。

アメーバ経営は、京セラの急速な成長によって、
世間でとても有名になりました。
しかし、形だけ真似してもうまくいかないと著者はいいます。
理由は、
『アメーバ経営は、経営哲学をベースにした、
会社運営にかかわるあらゆる制度と深く関連する
トータルな経営管理システムだからである』(P. 31)
ゆえに、アメーバ経営を導入するつもりならば、
その目指すべき理念を十分に理解しておくべきです。

『アメーバ経営には、大きく分けると次の三つの目的がある』(P. 31)
1 市場に直結した部門別採算制度の確立
2 経営者意識を持つ人材の育成
3 全員参加経営の実現
これらの目的を達成するために会社を分けていった結果が、
必然、アメーバ経営となります。
だから、形だけを真似ても良い結果が出るとは限らないのです。

会社が大きくなればその分だけ赤字の原因が見つけにくくなります。
会社を小さな単位でいくつも存在させることで、
『どこが儲かっているのか、損をしているのか、
という会社の実態をより正確に把握することができる』(P. 41)
ゆえに、どこが赤字で、どこが黒字なのか見分けが容易なのです。

さらに、
『小さなユニットであっても、その経営を任されることで、
リーダーは「自分も経営者のひとりだ」という意識を持つようになる』(P. 47)
経営者の感覚を磨くのは、
どんなに優秀なビジネスパーソンであってもとても難しいのです。
実際に会社経営の経験を積まねば、
経営者としての素質を伸ばすことはできない、ともいわれます。
小さなユニットの社長にして、見所ある社員を
経営者の感覚を養うというのは会社の発展に有益なことです。
さらに、
会社のトップのみならず、小さな会社であるからこそ
従業員も勤務する会社の経営状態が気になります。
著者はこれを大家族経営と称しており、
従業員全員が経営者の感覚を持つ状態を目指します。
『「全従業員が経営者」という会社形態があるならば、
労使対立などそもそもありえない』(P. 52)
経営者と労働者が対立し、体力を消耗している余裕はありません。
労使間の無用の対立をなくし、従業員が一丸となって
経営に集中することで競争力を高めることができます。

『金銭により人の心を操るような報酬制度を京セラはとっていない』(P. 84)
もちろん長期的に見て、仕事の実績が評価され、
給与に反映されるのですが、報酬は金銭のみではないのです。
金銭以外の報酬とは、周囲の従業員からの尊敬や信頼です。
これは研究者がよく重視する報酬です。
(今野治氏著「「理工系離れ」が経済力を奪う」参照)

なぜ、金銭のみを基準にしないのか、
それは金銭のみのモチベーションは長く持たないからです。
業績は常に上がり続けるものではありません。
成果主義による金銭のみの報酬制度では、
業績の落ち込みによって社員の士気が下がるのです。
しかし、他の社員の認知が報酬なら、
金銭的な報酬が下がっても、士気の落ち込みは軽度なもので済みます。

『シンプルに各部門の収支状況をとらえることができないだろうかと思い、
考案したのが「時間当り採算表」である』(P. 132)
メーカーの場合、工場に長期間の仕掛かり品があると採算が悪化します。
ひとつの商品ができるまでの時間を考えなくてはいけません。
よって、時間当りの採算表の作成はとても有効に作用するのです。
でも、これはメーカー以外の業種によっては必要ないかもしれません。

『「時間当り」さえよければ、
それで経営がうまくいくわけではない』(P. 232)
時間当りの採算は重要です。
しかし、この指標にのみとらわれて、
仕事をやたらと外注に出すなどしていると、
長期的に見て、会社のためになりません。
パソコンでもそうですが、
ベンチマーク用に組み立てた自作パソコンは、
マルチユースではいまいち役に立たないのです。
時間当りは、良くも悪くもひとつの指標なだけなのです。


■反論・誤植・注意点など■
特になし


■最後に■
本書をアメーバ経営の構造は簡単に理解できると思います。
しかし、それを会社に取りいれて実行するのは、
絶対に一日ではできないと思います。
本気でとりいれたいと考えている会社があるなら、
それは相当な覚悟を持って、
本書をヒントに自分で模索していかねばならないでしょう。
著者もはじめに警告していますが、
形だけ真似ても、本当のアメーバ経営にはならないのです。
そこを十分理解した上で、導入を検討すべきです。



■評価■


点数合計 22点/30点満点

(1)読みやすさ 2点 
内容に繰り返しが多くくどい

(2)情報量 3点 
60-120min

(3)成長性 3点 
製造業でさえ、大きなことはいいことだ、
というわけではないことがよく分かる

(4)実用期間 5点 
これからの企業はただ大きければいいということはないので、
税制なども踏まえながら、大きくなりかけた企業は分社化し、
適正な大きさを維持できるようにすべき

(5)インパクト 4点 
なるほど、グループ企業にするのは、
本社からの出向ポストを増やすとか、
税金の面で有利になることがあるとか、
そういう意味だけでなく、
どこで赤字が出ているかはっきりさせるために
それぞれの会社で独立採算制を導入したいから、
ということだったのか、と思った

(6)信頼性 5点 
アメーバ経営を実践し、京セラを一代で世界的企業にまで育てた著者の
実践的な経営法として信頼できる内容


レビューNo.0579
評価年月日:2010年11月14日



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