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「キヤノン特許部隊」


  丸島儀一氏著
全199ページ
680円+税
新書

■この本を一言で表すと
「特許戦略の本質は攻めて守るところにある」

■何故この本を手に取ったか?
「特許法の勉強の合間に読もうとおもって」


■流れ
ゼロックスとの印刷機での特許争い

戦略的特許ビジネス

交渉

プロパテント


■レビュー■
『学校で工学を勉強したからといって
自分は技術屋だなんてうのはおかしいとよくいわれました。
勉強したのはたかだか二年くらいだろう、というわけです。
会社に入って何をやるかでおまえの専門が決まるんだぞ』(P. 65)
これはそのとおりだと思います。
大学で学ぶことといったら、学部生のときは
ほとんど基礎的なことばかりで研究ではありません。
さらに研究室に入って卒論を書いてもたった一年間、
修士にいってもプラス二年間です。
合計3年間しか研究していないのに、
そこで自分の専門を固定してしまうのは
自分の専門性に幅がなくなってしまうので
あまりにももったいないです。
ところが会社に入れば、
その分野を何十年も研究することになります。
会社で何をするか、その基礎を大学で学んでいると考えれば、
学校で勉強した内容と多少違っても、
入社して与えられた仕事をまずはこなしてみると良いでしょう。
そうすることで、自分の可能性をおおきく広げることができます。
自分の勉強してきた分野じゃないと嫌だ、と
後ろ向きなことを考えても損なだけです。

『排他独占的に、誰にも真似させない、ライセンスも出さない、
それが一番いい活用の仕方なのです』(P. 78)
特許技術で最も効果的な状況というのは、
他人にその技術を使わせずに自分だけがそれを行使し、
事業を営むことです。
だから、本当はライセンス料をもらって
ホクホクしている場合じゃないのです。

『何のために攻撃をするのかといえば、それは防御のためです』(P. 82)
こちらに攻めてくる企業が出てきそうだったら、
こちらから攻めていくのが常套手段だそうです。
こちらから責めていって、クロスライセンスに持ち込むと
自分の欲しい特許が無料で使えて良いのです。
『いかに自分たちの技術を出さないで
相手の重要な技術をもらうかを考えるべきです』(P. 85)
特許技術に関連する攻防は大変重要です。
もはや企業の行く末を左右する要素といえます。

『欲しいと言わない交渉術』(P. 124)
こちらから単純に欲しいと言えば、
それならいくら出すの?と足元を見られ
多額のライセンス料を取られることになるでしょう。
でも、こちらから攻めていって、
本当は欲しいライセンスがあるのに
それを欲しいといわないで
相手が防御したところで、
「じゃあ、訴訟しないかわりにクロスライセンスしてよ」と
交渉することで通常使用権を手に入れると安くつくのです。

『日本の裁判所が出す損害賠償額が低かったので、
脅威としてあまり機能していなかったのです。
そこで企業側も、日本の特許よりも
アメリカの特許を活用していたわけです』(P. 88)
このままでは、日本での特許はお飾りで、
国内企業もアメリカで特許を取得するのではないかと思います。
日本ももっと損害賠償に基づく制裁を侵害者に科すべきです。
そうでないと特許法自体が形骸化してしまうでしょう。

『アメリカは、独占禁止法が強まると特許権が抑えられ、
特許権が強まってくると今度は独占禁止法が弱まってくる、
そういうサイクルを波のように繰り返しているように感じます』(P. 91)
昔、アメリカはアンチパテントだったそうです。
現在からは信じられません。
ですが、これには波があって数十年すれば
またアメリカはアンチパテントになるといわれています。
なぜなら、今はアメリカがたくさん特許を持っているので
特許を重視したほうが国益となるのです。
しかし、日本が怒涛の追撃を見せています。
これで日本が重要な特許を多数抑えるようになると、
おそらく、国益を守るためにアメリカは
急にアンチパテントを支持するようになるでしょう。

『われわれを困らせようとする外国人のなかには、
日本人には理解しにくいような表現を使ってくる場合があります。
例えばニューヨーク・スラングなどを使ってくるわけです』(P. 118)
英語というのは、スラングだけでなく、
各国でなまりがありますし、地方でも違います。
ですから、完璧な英語というのは、非ネイティブに難しいのです。
いえ、そもそもアメリカ人自身がそれをわかっているはずです。
だから、交渉の場でこのような小賢しいことを仕掛けてくるのでしょう。
こういう人は、まともに相手してはダメです。
現地の信頼できる交渉人を雇って、対処すべきです。



■反論・誤植・注意点など■
特になし


■最後に■
特許で攻め、守る
伝説の特許マンと名高い丸島儀一氏の著作です。

本書を読んでみて、特許というのは
ライセンス料をもらって会社に貢献することが良いのではなく、
むしろ誰にも使わせないで独占排他的に事業をする方が良い
というのが分かりました。

でも、実際にはそんな理想的な状態にはなりません。
そもそも、特許を誰にも使わせないでいるというのは、
産業の発達を促進したいために作られた特許法の趣旨に反します。
だから、自分の特許を完全に守ることは難しいけれど
相手の特許も攻めればクロスライセンスなどで使用可能なのです。

特許に関して言えば、
「圧倒的に強い企業はなく、常に相対的に強いだけ」
という言葉もとても印象的でした。


■評価■



点数合計 22点/30点満点

(1)読みやすさ 3点 
ふつう

(2)情報量 3点 
60-120min

(3)成長性 3点 
知的財産権に関する企業の攻防が分かる

(4)実用期間 5点 
特許の活用がこれからの日本国の方針

(5)インパクト 4点 
特許関連の攻防というのは高等な交渉術

(6)信頼性 4点 
著者の観点からのみ語られているとはいえ、
内容は信用できると思える


レビューNo. 0765
評価年月日:2010年8月10日



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