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「一度も植民地になったことがない日本」


  デュラン・れい子氏著
全223ページ
838円+税
新書

■この本を一言で表すと
「日本が欧州でどう思われているかについての個人的見解」


■何故この本を手に取ったか?
「日本が世界でどう思われているのかは気になるところであるので」


■流れ
欧州から見た日本のイメージ

日本は世界からみて特異

世界はしたたかで日本人はアマい


■レビュー■
『英語でタンカの切れる日本人募集』(P. 30)
外国語で口論できるようになると一人前と言われます。
それはたくさんのフレーズを知っておかねばならず、
相手の言うことを理解し、即時に反論できなくてはならないからです。
ゆえに、この募集条件は、単純明快かつ必要十分であるといえます。

『ひと昔前の日本のイメージといえば、トヨタ、ニッサン、
ソニー、キヤノン等々、テクノロジーが主流だったのに、
今はまったく違う日本のイメージが浸透しはじめている。
アニメとマンガ・キャラクターだ』(P. 126)
これは、そのとおりで最近日本を訪れる外国人にアニメファンは多いそうです。
(海野凪子氏著「日本人の知らない日本語2」参照)

また、中東などでは「キャプテン翼」が人気で、
日本のキャラクターであることをアピールして
派遣した給水車が爆破されないようにしていました。
人気のあるキャラクターが描かれた車は爆破したくないでしょうし、
キャプテン翼の生まれた国なら、いい国かもしれない、と思われ
自衛隊への襲撃を未然に防ぐ狙いがあったのです。
(麻生太郎氏著「とてつもない日本」参照)

日本文化は世界に通じないなんていわれてましたが、
それは内容のせいではなかったようです。
世界が日本語で理解しなくてはならない文化に
触れる機会が少なかったからでしょう。
今はインターネットがありますので、
Youtubeなどで日本のアニメマンガの動画が多数アップされており、
それを見て日本に興味を持つ人が急激に増えているのです。
世界の目が気になる日本人ですが、
アニメをみて日本を訪れる人がたくさんいるくらいですから、
マンガ、アニメは日本のイメージアップに多大に貢献しているといえます。
アニメを上手く利用できたら中東のみならず
日本は世界にまたたくさん貢献することができるでしょう。

欧米は実力主義で引きぬきがあって、
日本よりも人材が流動的であるとの指摘に、
『自由に渡り歩けるのは35歳まで』(P. 166)
と、著者の夫が語っています。
なるほど、それならば日本の雇用状況はもうすでに
欧米と似た環境になってしまったといえます。
また、欧米のビジネスパーソンは、
日本の終身雇用を羨ましく思っています。
就職したら定年までずっと面倒見てくれる企業があるなら
自分もそこに入りたい、といいます。
それを知って、日本のシステムにも
たくさんメリットはあったのだな、と思うようになりました。

『英語で赤ちゃんのことをItで呼ぶ』(P. 196)
HeでもSheでもなく、Itだそうです。
理由は本書には書かれていませんでした。
著者の考えでは、子供は躾がされて初めて
人として一人前に扱われるからだ、とのことです。
なるほど、一応納得はしましたが、
本にするんですから次からはきちんと調べて書いてほしいです。

ちなみに、「Itと呼ばれた子」というタイトルの本があって
人権を無視したようなニュアンスにドキッとしたのですが、
なんだ、英語では普通のことだったんですね。


『日本の人たち、皆いい人。でもシンプルね』(P. 199)
『日本は外国人にいい国!
日本人はもともと性善説なんですかね?』(P. 202)
この指摘はとてもよく当たっていると思います。
日本は長年、日本人同士でしか争いをしてきませんでした。
地震、台風などの大自然の脅威を目の当たりにして
人々はお互いを信頼しあい、助け合って生きてきたため
人は信用するものである、目の前にいるこの人も、
きっと自分と同じような考えをもっている人に違いない。
だから、突飛なことやおかしげなことはしないだろう。
日本人はそういう一種の性善説に従っていると考えていいでしょう。
それで日本人は騙されてしまうのです。
談される方が悪いという文化圏からしたら
性善説の日本人はカモネギそのものですから、
どんどん騙されていくでしょう。
(邱永漢氏著「騙してもまだまだ騙せる日本人」参照)



■反論・誤植・注意点など■
『日本では「オリジナリティ」の価値が低い』(P. 23)
そんなことはないです。
芸術品に関してはしりませんが、
少なくとも、家電製品などの売り物に関しては、
日本ではコピー商品は嘲笑の対象です。
オリジナルにきちんと敬意が払われています。

『「ふん!日本なんかにまねされたって、どうってことないや!」と
言いだして、あっけなく終わりとなってしまいました』(P. 25)
これは本当に相手に非があるなら、きちんと抗議をすべきです。
そうでないと、その相手のごね得となってしまいます。
きっとまた同じことを繰り返すでしょう。
それを防止するためにも、徹底的に糾弾してやって
場合によっては、特許、意匠、著作権の侵害を理由に、
民法709条に基づく損害賠償請求権を行使すべきだと思います。

『最近の日本のビジネスマンが、よく泣くのは何故だろう?』(P. 29)
大企業の社長が記者会見で泣くのはおかしいというのですが、
それはどの会社のことを言っているのでしょうか。
私は大手証券会社の破たんで涙する役員を見た覚えがありますが、
会社のために尽力していた役員であれば、
あれは涙してもおかしくない状況でした。

著者が本書にて、子供と同じで泣けば許されるとでも思っているのか、
などと批判発言するに至ってはもう何を言っているのやら、
読んでるこちらが恥ずかしくなってきます。

『不祥事がバレて泣くなんて』(P. 30)
と、ありますので、それなら私の見たものと違いますね。
私の見た大手証券会社の破綻は、金融商品の運用失敗が原因でした。
決して不祥事ではありません。
本業がうまくいっていたのに、副業で会社をつぶしてしまったのですから
申し訳なさでいっぱいだったでしょう。

私は記者会見で自らした不祥事を
泣いて許してもらおうとした日本人の社長なんて知りません。
だから、どの会社の記者会見なのかきちんと示してもらわないと、
著者が何を批判しているのかわかりません。
対象があいまいすぎるでしょう。
こんなことで日本人全体を批判されてはたまったものではありません。
不祥事を泣いて許してもらおうとした子供じみた日本人社長が
本当にいるというのなら、せめてその会社名くらい示すべきではないでしょうか。
そうでないと、読者としては真偽について調べようがないです。

『ほとんどの場合両者とも何となくシコリが残るのは、
口論でも腕力でも徹底的にやらないからではないかしら』(P. 33)
それは一理あるでしょう。
しかし、全ての人が徹底的にやりあった末に
必ず分かりあえるわけではありません。
子供なら殴り合いのケンカもいいでしょう。
しかし、大人がそれをしたら傷害事件になります。
とことんやりあって得られた友達は大切なものですが、
そこまでしなくても友情は育めるものです。
なんでもかんでも徹底的にやりあえばいいってものではありません。
その結果、取り返しのつかないことにだってなるのです。
一度離れた心はそう簡単に取り戻せませんよ。
徹底的にケンカするなら、その覚悟をもってやらなくてはなりません。
でも、出会ったすべての人とそこまで親交を深めないといけないのでしょうか。
出会ったときにお茶を一緒に飲めるくらいの友達でいたっていいじゃないですか。
私は徹底的にやりあうべき時と場合は見定めるべきであると思います。

『独断と偏見だが、南蛮文化が日本に伝わったとき、
日本は中国とサヨナラしてヨーロッパを選んだのではないか』(P. 106)
中国とサヨナラしたのは、南蛮文化に触れてからではありません。
既に894年に遣唐使が廃止されています。
この後で日本特有の国風文化が育まれていくことになるのです。
そういった理由で、
海外の人が日本と中国は全然似てないと感じても
当たり前のことであると思います。
というか、イギリスとフランスの違い以上に違います。

余談ですが、
日本語は文字が伝わる前からありました。
中国語の羅列は英語に似ていますが、日本語は独特です。
文字などは中国から伝わったものをベースにしていますが、
全てそのまま使うのではなく、自分たちの使いやすいように
いろいろ改造しているので、中国語をそのまま使っているのではありません。
そもそも今現在、日本の漢字と中国の漢字は違うでしょう。
日本は1000年以上前から独自路線を突っ走っています。
中国にはない、日本特有の漢字がたくさんできて、(躾、峠など)
現在、中国に逆輸入されているくらいです。
文化の伝播は中国→日本、ばかりではないのです。
中国人が日本産の文字を使っていることを知らないだけです。



■最後に■
著者は、きちんと歴史を学んだ人ではないようです。
発言の根拠が乏しく、
大半が海外で日本はこう語られているといった内容でした。
自分が主張したい意見があるなら、
その根拠となる歴史的背景など調べてくるべきで、
それはそんなに大変なことではありません。

たとえば、P. 103-107にかけて鎖国の話が出てきますが、
鎖国=すべての文化の断絶、ではありません。
そもそも鎖国という言葉がでてきたのは、明治時代以降です。
当時の日本人は、ただキリスト教の布教を禁止していただけです。
そのことで国交が途絶えてしまった国が多かったのですが、
キリスト教を布教しないとい約束したオランダや清などの国々とは
貿易を続行しておりましたし、洋書の輸入量も
いわゆる我々が「鎖国」と言っている時代には増加しているんです。
日本の歴史教科書の内容には事実誤認や不自然なことが多々あります。
妄信しない方がいいです。




■評価■

点数合計 14点/30点満点

(1)読みやすさ 2点 
読みやすくはない
速読していて意味がわからなくなることがあるので、
どうしても時間がかかる
文章があいまいになりやすいので
もっと代名詞の使用頻度を減らすべき

(2)情報量 2点 
30-60min

(3)成長性 1点 
そういう見方もあるんだという参考程度

(4)実用期間 5点 
10年以上つかえる知識

(5)インパクト 1点 
インターネットをやってればだいたい知ってることばかり

(6)信頼性 3点 
巻末に参考文献が載っているし、
言っていることは事実だと思うけど
本に書くことなのだから、もっときちんと根拠を示すべき


レビューNo.0790
評価年月日:2010年9月22日



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