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「ネクスト・ソサエティ」


  ピーター・F・ドラッカー氏著
全296ページ
2200円+税
単行本

■この本を一言で表すと
「ネクスト・ソサエティについて解説」


■何故この本を手に取ったか?
「ネクスト・ソサエティに興味のない経営者は皆無です。
もちろんビジネスパーソンも、どういう世界が到来するのか
知っておかねばならないと思います。
ピーター・F・ドラッカーの著作ということもあり、
本書を手に取った」


■流れ
りくるネクスト・ソサエティ

IT社会のゆくえ

ビジネスチャンス

社会と経済


■レビュー■
『ネクスト・ソサエティは知識社会である』(P. 5)
ネクスト・ソサエティでは知識が資源であり、
知識労働者が働き手の中心となります。
単純な労働は、急速な機械化によって消滅し、
知識により付加価値を高くできる業務のみが生き残ります。

『新種の知識労働者』(P. 23)
高度な専門性を有する弁護士や医師などの業種は以前からありましたが、
ネクスト・ソサエティでは、一部に特化した知識労働者が新たに産まれます。
それは、弁護士をサポートする法律テクノロジストや
医師をサポートする医療テクノロジストなどです。
これらの人たちは、それぞれの分野での、狭いが深い知識を有し、
その分野で求められる技術的な作業を粛々とこなしてゆく労働者たちです。

『ネクスト・ソサエティにおけるトップマネジメントの最大の仕事が、
組織としての個の確立である』(P. 58)
ネクスト・ソサエティは今と異なる概念で社会が動きます。
そのために、現在の組織体系がそのまま通用するとは言えません。
しかし、ネクスト・ソサエティにおいてさえ、
現在の会社のような組織は必要であり、
法的に、また財務的に現在の会社組織と
なんら変わることのない状態に見えてしまうかもしれません。
しかし、そこにあるものは皆が真似るべき単一のモデルではなく、
多種多様なモデルである、と著者は主張しています。
つまりは、現在と変わらない利益を追求する会社は存在するけれども、
ネクスト・ソサエティで生き残っている会社はどれも、
それぞれの業界で、それぞれの立場における最適な経営スタイルを持ち、
独創的な経営理念を掲げているということです。

『eコマースが産んだ心理的な地理によって人は距離をなくす。
もはや世界には一つの経済、一つの市場しかない』(P. 79)

インターネットの普及が、世界経済を変えてしまいました。
ネットによってすべての市場は一つにまとまり、
これまで地域差によって産まれていた格差が消滅する傾向にあります。
ゆえに、これまで競争の緩やかだった地域も、
否応なしに激化する競争に引きずり込まれることになりました。
ネクスト・ソサエティでは、
地方の中小企業でさえも、世界で戦うことを余儀なくされるのです。

『知識労働者は金では動かない』(P. 88)
現代社会で生きていくためには、お金が必要です。
ですから、お金で評価するというのは間違ってはいません。
しかし、お金だけでの評価は
景気のいいときは社員のモチベーションがあがるのですが、
景気が悪くなれば、それがそのまま給与に反映され、
頑張っても給与の下がる状況となり、モチベーション低下は避けられません。

金銭的な評価をもってしても、
不況時には労働者のモチベーションが下がってしまう、
というのはとても困った問題です。
これに対する対処法として、
著者は、知識労働者への社会的地位を向上させ、
認知することが重要であると主張しています。

日本では、稲盛氏が「仲間からの信頼」があれば、
不況で給与が下がっても、労働意欲は減退しないと主張しています。
(稲盛和夫氏著「アメーバ経営」参照)

社会や仲間から認められることが、
労働者にとって重要な報酬であることがよく分かります。



■反論・誤植・注意点など■
『日本では、いまなお労働力人口の四分の一が製造業で働いている。
この国が競争力を維持していくためには、2010年までに
じれが八分の一ないしは十分の一になっていなければならない』(P. ii)
言いたいことはわかります。しかし、これは必ずしも当たってないと思います。
といいますのは、これからの産業で大切なのは、
細分化する顧客のニーズに応えつつ、在庫を残さないことです。
そうなれば、少品種大量生産だけしているわけにはいきません。
むしろ、今後の顧客ニーズにうまく対応しつつ
発展を望むのであれば、多品種少量生産に拍車がかかるものと考えられます。
そうなれば、どちらかといえば、
少品種を大量生産ばかりしていたこれまでよりも
製造業に従事する人が増えることがあっても何らおかしいことではありません。
労働人口が減らねばならないのは、
機械が人の代わりができる分野に限られます。
しかし、手作業でしかできない細やかな職人芸も存在するのが工業なのです。

アメリカは1960年代に35%だった製造業従事者が
2000年には、14%になっていて、
それでいて三倍の生産量になっている、とかかれています。
しかし、
日本の製造業従事者が四分の一に達するとありますが、
それでも戦後すぐのころよりも比率は下がっているのではないでしょうか。
また、それでいて生産額は日本でも上がっているのではないでしょうか。
そのあたりは言及されてません。
また、アメリカが少品種大量生産の道のみをひた走っているとして、
日本は少品種大量生産の効率を上げつつ、
人員を簡単に減らせないが、それでも付加価値の高い商品を、
多品種少量生産する道も模索しているのです。
となれば、簡単に従業員の比率だけで比較はできません。
どうしても比較するというのであれば、
従業員一人当たりの生産額で比較すべきです。

韓国に関する記述で
『日本が産業の発展を阻んでいた。教育も阻んでいた。
高等教育を受けた者がほとんどいなかった』(P. 151,152)
と、著者は主張しておられますが、完全に間違いです。
日本は日本本土から多額の税金を財源として持ちだしてまで、
朝鮮半島の近代化を推し進めました。
(西尾幹事氏著「国民の歴史」参照)

さらに、日本で大阪帝国大学を設立するよりも先に、
ソウルにて京城帝国大学を設立し、高等教育を行ったのも日本です。
その後、台湾にも帝国大学を設立しました。
教育を阻むつもりなら、なぜ大学を建てているのでしょう。
日本が教育を阻害したとする主張は、この事実に矛盾します。

『1950年代に初めて行った頃の韓国は、
八割が農民という農村社会だった。
日本の占領政策のために中卒さえほとんどいなかった』(P. 214)
なぜ、著者はこうも日本の悪口を言うのでしょうか?
どうしてそう考えるのか、文献等を示してほしいのですが、
そういうものは全く紹介されてません。
日本が朝鮮を併合するまで朝鮮半島に目立った産業は無く、
もともと農村社会でした。
しかし、1950年代なら日本が残した施設がたくさん残っていたはずです。
また、日本の占領政策で
日本が韓国の教育を阻んだという一次資料でもあるのでしょうか?
あるなら提示して頂きたいです。
1950年代なら、日本人だって、大多数の人が小卒、中卒です。
世界に名を馳せた松下幸之助でさえ、小卒でした。
終戦まで日本人と同様に扱っていたのですから、
むしろ自国民と同等の扱いにしていたことに
私は驚きを禁じ得ません。
欧州であるいはアメリカで、併合国の国民を
即刻自国民と同じ待遇にするなんてことが、この時代にありましたか?



■最後に■
著者は世界で最も有名なビジネスパーソンの一人です。
たくさんの書籍を出されていて、日本でも多く翻訳されています。
内容は実に明快で結論も分かりやすかったです。
本書は良書であると思います。

しかし、巻末に参考文献等を示して欲しかったです。
根拠も示さないのに、日本のことを時々韓国に絡めて、
思いだしたかのように批判しているのが納得がいきませんでした。


■評価■


点数合計 23点/30点満点

(1)読みやすさ 3点 
ふつう

(2)情報量 3点 
60-120min

(3)成長性 3点 
ネクスト・ソサエティについての知識を得られる

(4)実用期間 5点 
近い将来、著者の主張する世界が到来すると思われる

(5)インパクト 3点 
インターネットによる世界の変化には、
みんな薄々気づいていたと思う。
本書でその社会の概要が分かる

(6)信頼性 4点 
ビジネスに関する記述は信頼できるものであると思うが、
日本を悪者に仕立てるかのような記述は完全に間違っているので、
そこで一点引いておいた



レビューNo.0986
評価年月日:2011年2月23日



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