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「なぜ正直者は得をするのか」


  藤井聡氏著
全213ページ
740円+税
新書

■この本を一言で表すと
「利己主義優勢社会は必ず滅ぶ」


■何故この本を手に取ったか?
「正直者は本当は得をすると思う
でもその確証がなかったので
本書を読めばその根拠が分かると思ったから」


■流れ
人間は「利己主義」ではない

正直者はバカを見るのか?

利己主義者は自滅する

日本に迫る危機



■レビュー■
『私たちは「利己主義者」ではない』(P. 31)
何気ない親切をするとき私たちは、
決して何かしらの見返りを期待しているわけではありません。
誰かが落した鉛筆を拾ってあげることや
電車内で見知らぬおばあさんに席を譲ってあげることは
当然の親切であるという一種の公共性が我々にはあります。

もし、すべての人が利己主義者であるならば、
相手に何かしてもらった時、
その下心に応えることができなかったとき
相手を怒らせてしまうことになります。
常に相手の腹を探らねばならないことは
かなりのストレスになります。
しかし、
純粋に親切な人にはその押しつけがましさがありません。
だからこそ、正直者は人に好かれるのでしょう。

『最初は何気なく親切にしていたのに、
「人間は利己主義者なのだ」と信じ続けているうちに
”実際に”利己主義者としての判断を行うようになり、
実際に不親切な人間になっていってしまう』(P. 40)
世の中が利己主義者にあふれていると、
それが標準となり、利己主義な行動をとらないとおかしい、
と思うようになります。
その結果、もともと正直者であった人が
利己主義者になってしまうのです。
朱に交われば赤くなってしまうのです。

『社会的ジレンマ』(P. 86)
社会的な利益=協力、
個人的な利益=裏切りであると定義すると
『「裏切り」は「得」なのだが、
皆が「裏切り」を選べば結局万人が「大損」してしまう、
というのが社会的ジレンマ状況のエッセンスである』(P. 106)
個人の利益のみを追求する者ばかりが増えていったなら
その社会は早晩崩壊するでしょう。
だからこそ、社会がこれまで培ってきた規制が必要になります。

『規制を設けずに放置しておくならば、
様々な社会的ジレンマが生じてしまうことは、
火を見るよりも明らかである』(P. 101)
都会などの人の流動性の高い社会では、
一回きりのつきあいというものが増えます。
だから、裏切り行為を制裁する力が働きにくく
利己主義者は濡れ手に粟で利益をむさぼれます。

正直者を裏切ることで得られる利益は、
正直者同士で協力して得られる利益よりも大きくなります。
しかし、裏切り者として認知され、村八分にされれば、
次の取引に影響します。
そういった損が長い目で見て大きいため、
閉鎖的な社会では利己主義者は台頭できません。
正直者が増える社会が構築されるのです。

『「利己主義の蔓延」が日本を危機に陥れる』(P. 169)
現在の日本は利己主義者が増えてきています。
そのせいで日本という集団ごと消滅してしまう危機が迫っているのです。
これはイースター島の例を(P. 176)
本書で読んでもらえれば分かると思います。
利己主義者が蔓延した社会は活力が失われ
外力によって簡単に消滅してしまうのです。

『もっとも優秀な「付き合い方」戦略は、
全くもって利己主義とは無縁のものであった』(P. 120)
どんなに高等な戦略を用いても、
しっぺ返し戦略に勝るものはありません。
この戦略の有効性は何十万回にも及ぶ
コンピューターシミュレーションの結果によって証明されています。
(橘玲氏著「亜玖夢博士の経済学入門」参照)

これほどシンプルな戦略が、最も有効であることは驚きです。
ですが、バカ正直なだけでは搾取されるのみです。

昔から「正直者は馬鹿を見る」などといわれますが、
馬鹿を見ているのは正直だからではありません。
馬鹿を見る本当の原因は、
無知蒙昧に世の中が正直者で溢れていると
信じている世間知らずさにあるです。
そして簡単な「しっぺ返し戦略」すら実行に移せない
行動力のなさゆえです。

『どこかの誰かが、あなたのその「利己性」を
きっちり見抜いている』(P. 131)
本人はうまく立ち回っているつもりでも、
必ずどこかに見抜いている人はいます。
だから、ちょっとくらい得をするからとか、
だまされたら損をするからという理由で
時と場合を使い分けて利己主義者になることは
止めた方が良いでしょう。




■反論・誤植・注意点など■
『もしも企業の意思決定者が、
「人間は利己主義者ではない」という人間観を持っていたとするなら、
成果主義の給与体系が採用されていくとは考えがたい』(P. 47)
私は世界の成果主義と日本の成果主義はすこし違うように思います。
ほとんどの日本の企業が導入している成果主義は
人件費を下げるための口実なのではないでしょうか。


■最後に■
本書を読んで思い浮かんだものは、
お人好し日本国が利己主義が跳梁跋扈する世界で食い物にされる姿でした。
基本的に協力路線で行くことは賛成ですが、
日本が正直でいることをいいことにして、
裏切る国にはこちらも裏切りで返すべきです。
そうしなければ、
日本の徳を理解しようとさえせずに
裏切りを続けて更なる得を求めてくるでしょう。
(中川昭一氏著「飛翔する日本」参照)



■評価■


点数合計 21点/30点満点

(1)読みやすさ 2点 
分かりやすい説明を心がけていることが分かるけど
おなじ内容が文体を変えて繰り返されていたり、
文章に主語がなかったり、代名詞が多様されたり、
何行にわたる長い文章だったりと、速読に向かない。
熟読すれば理解できるが読みやすいとは言えない。

(2)情報量 2点 
30-60min

(3)成長性 4点 
損するかもしれないからと
無理やり利己主義者になる必要はない

(4)実用期間 5点 
一生使える

(5)インパクト 3点 
正直者はバカを見ない

(6)信頼性 5点 
信頼できる内容



レビューNo.1098
評価年月日:2011年1月2日



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